前回は 肩関節複合体 shoulder complex について書きました。
⇒ 肩関節理学療法の基礎 肩関節複合体
特に、肩関節が独立しているわけではなく、
連結しているということを強調しました。
本日は動画の流れにそって 第2肩関節 について。
第2肩関節は解剖学的関節ではなく、機能的関節であることは有名です。
具体的には、
① C-A arch : 烏口突起・肩峰 とそれを結ぶ 烏口肩峰靭帯
② 肩峰下滑液包 (SAB)
③ 腱板 : 棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つ ( rotator cuff )
➃ 上腕骨頭
から成り立っています。
ここは肩関節の理学療法を考える上でむちゃくちゃ重要ですね!
特に有名なものに 三角筋と棘上筋の関係 があります。
フォースカップル機構 とか呼ばれたりしますね。
知らない理学療法士はいないと思いますが一応情報として載せておきます。
肩関節だけでなく全ての関節にも応用できる考え方なので
しっかりと理解しておきましょう!
〇 フォースカップル機構
肩関節を挙上する際に、
三角筋のみが働いても骨頭の求心力が存在しないため、
骨頭が肩峰下アーチに衝突するのみで挙上運動が生じない。
(腱板損傷に相当します)
一方、
棘上筋のみが働いても骨頭は支点を形成するように安定するが、
筋のレバーアームが短く、十分な回転モーメントを生じるには至らない。
(腋窩神経麻痺に相当します)
三角筋 と 棘上筋 の共同作用(フォースカップル)、
つまり
棘上筋による安定化作用の上に三角筋の強力な回転モーメントが作用し、
はじめて円滑な挙上運動が可能となります。
【引用文献】
1)西川仁史:腱板損傷.理学療法 23,275-280,2006.
2)林典雄:肩関節拘縮の機能解剖学的特性.理学療法 21,357-364,2004.
理学療法 肩関節
先日参加した研修会で講師の先生が言っていた
『 上司の罪深さ分類 危険レベル 』
◆ 部下を育てる意欲も能力もない
◆ 会社や部下の文句ばかりを言う
◆ その場その時の気分でいうことが違う
◆ 部下の意見や提言を無視する
◆ 自分の好みで部下を選別・排除する
◆ ハラスメントによる事件を起こす
◆ 部下を不正に巻き込もうとする
もちろん下にいくほど危険だそうです。
身に覚えはありませんか~?!
思い当たれば今日から変えればいい!
ふてくされず、投げやりにならず、本日もぼちぼちいきましょう!
前々回から肩関節について書いています。
そしてまずは基礎知識を一定にするため前回、動画を紹介しました。
⇒ 肩関節理学療法の基礎中の基礎
基礎と言いながらなかなか興味深い内容です。
私は山口先生の話を直接伺ったことはないのですが、
ぜひ機会があったら聞いてみたい!と思いました。
本日は動画の中からさらに基礎的なことを
学生さん・新人さん目線で書きたいと思います。
〇 肩関節複合体 (shoulder complex)
まずは解剖学的特徴から押さえていく必要がありますね。
肩関節の一番の特徴は 肩関節複合体 です。
『可動性』 と 『安定性』 という相反する機能を兼ね備えなければなりません。
図に示した通り 肩関節複合体 とは
3つの解剖学的関節 ①肩甲上腕関節 ②肩鎖関節 ③胸鎖関節
2つの機能的関節 ①肩甲胸郭関節 ②第2肩関節
の 合わせて5つの関節の総称 です。
※ 動画では、肋椎関節 と 胸肋関節 も加えて 7つの総称としています。
わざわざ 複合体 と定義するのは、
解剖学的関節だけでなく、機能的関節も大事なんだよ!
というメッセージだと私は解釈しています。
ただここでいつも思うのが、
どの文献を見ても肩関節複合体だけ抜粋図示していろいろ説明するので
体のどこの部分を話しているのか分かりにくくなってしまう気がします!
学生の時、私の肩のイメージは宙に浮いているイメージがありました。
手が体から離れて浮かんでいる感じ、
ちょうどドラゴンクエスト6のこのボスのイメージ・・・
・・・マニアックでごめんなさい。。。(共感できる人はいる!?)
一番教えてもらえなくて分かりにくいのが 連結 じゃないでしょうか?
足部から肩関節複合体まで隣の骨を順番に言えますか?
臨床家なら当たり前のことなのですが、
学生さんや新人さんには絶対分からない!!
まずはこのつながりをイメージしましょう!!!
すると肩関節の治療なのに
体幹や足部にもアプローチが必要なことが分かります!
木を見て森を見ず 森を見て木を見ず・・・
必ず全体像と部分像と両方をいつも見ることが大事です!
【引用文献】
1)千葉慎一:肩関節の運動療法・再考.The Journal of Physical Therapy 15,13-20,2012.
肩関節のことを書こうと思ったら・・・何から書いていいか分かりません><
なぜかというと 知識量の差 にあるような気がしました。
要するにどのレベルのことを書いていいか分からない...
学生の時には肩関節について詳しく習わないのに
臨床に出ると経験の差が出るのが 肩関節 のような気がします。
まずは基礎的解剖学を知っておくことが必要ですが、
どこまでが基礎なのかが分かりにくい!!
※ ジャパンライムオンデマンドサービスの宣伝ではありません
なので当ブログではこの動画を紹介してこれを基礎とし、
ここから発展させていきたいと思います。
字面を並べるよりプロの方の動画が絶対分かりやすいと思います!
30分ぐらいあるのでぜひ時間を作って見てみて下さい!
ただ 2回目以降金取るんかい!! と全部見て思いましたが...
・・・1回分だけですが私自身もへーっと思うことがたくさんありました!
関節液の説明ができない方
水平内転で後方組織が伸びると思っている方
肩甲上腕リズムが2:1と思っている方
関節上腕リズムを知らない方
以上の方はぜひ見た方がいいと思います!!
【動画の内容】
肩の構造:関節複合体
第二肩関節について
肩甲上腕関節について
関節内圧の特徴 陰圧と陽圧
関節液の特性
肩甲骨面(scapular plane)
水平内転の特徴
後方組織の伸長方法
烏口上腕靭帯と小胸筋の関係
肩甲上腕リズム
関節上腕リズム
ブログを見て下さった方が、足関節の治療に関する
興味深いサイトを紹介してくださっています。
ぜひコメントのところを見てみて下さい!
⇒ 理学療法士が受けた初TOEICの結果
今回からは、臨床で診ていて本当に難しいなと思う 肩関節 について
自分の学習をかねて書きたいと思います。
肩関節で皆さんが困ることは何でしょうか?
私がよく遭遇するのは、
「挙がらない」 「後ろに手が回らない」 「痛くて寝られない」
患者さんたちです。
(よく言われる挙上制限、結髪・結帯制限、夜間痛ですね)
実は私自身も30歳の時に朝起きたら肩が挙がらなくなって
数日挙がらないままのことがありました。
ショルダープレスという筋トレがあるのですが、
少し痛いと思いながらも筋肉痛だと思ってやり続けたら
見事に挙がらなくなりました。
しかも夜間に痛いのなんの、
本当に手の置場というか肩の置場がないんです!
バスタオル等でポジショニングを図りますが、
そんなに簡単なものではありません。。。
あと挙がらない肩って本当にあがりませんよ!
肩甲骨の代償を使っても外転30度がやっと。
本当に笑ってしまうぐらい力が入らないんです!
すぐに職場のPTに触診してもらったら
明らかに棘上筋の筋緊張が低下していること
肩甲骨の著名な下方回旋を認めたこと
が分かりました(よく臨床で見かけますよね!)。
次に超音波で肩を診てみたら見事に
棘上筋と上腕二頭筋長頭腱(結節間溝)のところに
健側には認めないカラードプラーでの血流所見が得られました。
整形外科に相談に行ったらその場でステロイド注射されました。。。
思ったことは
肩が痛いときに関節注射されてもそんなに痛くないことでした。
1日経って朝挙げようと頑張ったら。。。少し上がる!
その翌日にはかなり挙がるようになりました。
炎症にステロイドはむちゃくちゃ効きます!実体験です!!
自分の肩が障害されて思ったことは、
やはりまずは医師の診断を受けて薬物療法等を行う、
同時に理学療法をしっかりやる、
これしかないと思いました。
挙がるようになっても肩の痛みはしばらく続きました。
とにかく痛い!
歩いているときに腕をぶら下げているだけでも痛い。
ポケットに手を引っかけたら少し楽になる。
そんなときに私はテーピングをしていました。
結構効果ありますよ!
絶対に急性期にインナーマッスルトレーニングとか言って
セラバンドでの棘上筋exとか指導しないで下さいね。
患者さんの立場から言わせてもらうと
あの痛みで運動なんて絶対無理です!!
初期治療は RICE処置 ! 間違いありません!
肩関節障害は本当に辛いです!
しかも治療するのもかなり難渋します。
だからこそ研鑽して肩関節が得意と言える理学療法士になりたいと思います!
本日は導入ということで肩関節の体験談を書かせてもらいました。