理学療法士 (PT) だって 人間だもん

脊椎圧迫骨折のリハビリエビデンスや理学療法の臨床で思う治療のワンポイント、理学療法士として身に着けておくべきメンタル等、理学療法士としての思いを形に。 

「PTだって人間だもん」のブログへようこそ!

職場という閉鎖された空間だけでなく、

よりたくさんの方と意見交換できたら幸いです☆

  理学療法 循環

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血圧から見る心臓への負担は?

患者さんの全体像を捉えるに当たって

ワッサーマンの歯車から始まり、

昨日は 『血圧』 から分かることを少し書きました。

 ⇒
血圧を測定したら何を考えますか?

本日は 『 血圧 』 から分かる(想定したい) もう一つのことについて。



③心臓への負荷

 心臓は起きている間も寝ている間も動き続けていることは周知の事実ですね。

 短時間でも止まると全身の細胞に酸素が行き渡らず、

 酸欠の状態に細胞がなってしまい、壊死してしまいます。

 心臓自体も、『心筋細胞』からなる筋肉なので酸素が必要です。

 この酸素を心筋に供給してくれるのが冠動脈です。

 心臓

 心臓は1分間に約70回、1時間に4200回、1日に100,800回動いています。
 
 運動すると心拍数は増加するのでもっと動いています。

 ものすごい酸素が必要です。

 この心臓で使っている酸素の量が分かれば、心臓にかかっている負担も分かるはず。

 しかし理学療法士が測ることはできません。


 そこで、『ダブルプロダクト』 という

 心筋酸素消費量と比例する目安が出てきます!

 ダブルプロダクト
 このダブルプロダクトを測定することで、

 理学療法で行っている負荷がどれくらい心臓に負担をかけているか推測します。

 既往歴に、「狭心症」という言葉を見かけたら、

 心臓カテーテル検査等を参照して狭窄の程度を把握し、

 この人はリスク高いし血圧とか脈拍に注意しながら運動しないとな、

 と考えて、

 その際のダブルプロダクトがいくらなのかを記録しておくことも評価の一つです!


 ぜひ血圧測定の結果の解釈に役立てて下さい。

血圧を測定したら何を考えますか?

年始から 患者さんの状態という観点から 書いており

前回は 『 ワッサーマンの歯車 』 について書きました。

 ⇒ 
ワッサーマンの歯車から理学療法を捉えよう

しつこいですが、ワッサーマンの歯車は非常に有用で

目の前の理学療法の対象について大枠を捉えやすくなります。

循環の問題で動けないのか、呼吸の問題で動けないのか、

運動器の問題で動けないのか?

新人さんや学生さんは運動器の問題にとらわれ過ぎる傾向がありますので注意!

理学療法が関われるのは24時間の内の少しだけです!

患者さんの1日の行動を考えましょうね。


前置きが長くなりましたが、本日は 『 血圧 』 について。

理学療法を開始するときバイタル測定をするなり、

看護師さんから情報を聞いたりしますよね。

その際、血圧は必ず含まれると思うのですが

血圧が分かることでどういったメリットがあるのでしょうか?


私は血圧から分かる理学療法士に有益なこと(分かりやすいこと)は、

 ①その日の調子が悪くないか?(いつもと大きく異ならないか)

 ②脳が「乏血」や「虚血」に至ってないか?

 ③心臓に過剰な負荷がかかってないか?

だと考えています。


本日は①、②について考えたいと思います。


①体調

 いつもと大きく異ならないか確認することで、些細な変化を捉えられます。

 いつもは血圧高い方が収縮期血圧100mmHgを切っていたりとかした場合、

 どっか調子悪いのかな(心臓がうまく血液を送れているのかな?)とか

 思って少し注意して理学療法介入します。


②脳の「乏血」や「虚血」

 脳梗塞後急性期等、リスク管理がそのまま理学療法に繋がります!

 筋細胞等は再生可能ですが、脳細胞は基本的に再生できません!

 一回の失敗が患者さんの人生を変えてしまいます。

 しっかり理解しましょう。



 
 脳は非常に多くの酸素やブドウ糖を消費します。

 安静時脳血流量

 上図の通り、通常の状態であれば余裕を持って供給できています。

 しかも、脳血流量の自動調節能が働いているため、

 血圧が多少変化しても安定して供給されます。

 脳血流自動調節


 しかし、この自動調節能は年齢や基礎疾患によって調節できる範囲が変動します!

 以下は非常に有名な図ですので、

 「この図見たことある!」という状態にしておきましょう。

 右方偏位

 また、脳梗塞等で自動調節能が破綻すると

 少しの血圧変動が命取りになることがあります!!

 脳梗塞
 この自動調節能の喪失期間は脳の障害部位によって異なります!


 障害期間


 これらを背景に理学療法、特に脳梗塞の急性期では

 頻回に血圧測定を行います。

 ただ血圧を測るのではなく、その意味もちゃんと理解しましょうね!!



 次回は、③心臓に過剰な負荷が加わってはないか?の観点で

 血圧について書きたいと思います。 



 本日の参考文献 (聖マリの本は超有名ですね)


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検脈をしっかりしよう!

昨日はバイタルサイン、特に 「 呼吸数 」 について書きました。

 ⇒ 評価の基本中の基本 呼吸数をバイタルサインに入れよう

理学療法は 「運動」 を基本とし、

対象者に大なり小なり負荷を加えます。

対象となる方の状態を把握しておかないと過負荷になってしまいます。


本日は 「リハビリ中止基準」 と 「 検脈 」 について。


リハビリ中止基準として知っておくべき基準は以下の2つです。

アンダーソン・土肥の分類

日本リハビリテーション医学会の基準


これらは国家試験で問われるだけでなく、

臨床家として知っておかなければリスク管理不十分ということで

訴訟等の問題になる可能性もあり得ます。

そもそも責任問題とかそういう話じゃなくて、

せっかくセラピストのことを信頼して来てくれている患者さんの

安全を守ることは プロ として当然のことですね。


これらの基準をしっかり確認することは非常に大事ですが、

この基準を守ろうとすると介入が困難な患者さんもいます。

基準を満たさない = 理学療法介入不可 ではなくて、

なぜ基準を満たせない状態に患者さんがなっているのか を考え、

その都度、医師と対応策を相談する必要があります。

そもそも患者さんの状態で不思議な部分があったら、

医師と納得できるまで相談するのが基本です!

医師は忙しいから話しかけにくいとかは論外です。

ただし相談するためには理学療法士も

かなりの知識を持っておく必要がありますよ。


話を戻して、リハビリ中止基準についてですが

血圧や脈拍数、患者さんの訴え等は比較的分かりやすいと思います。

基準に従って対応して下さい。


一方、 「不整脈」 については分かりにくい部分があります。

いつも心電図モニタリング下で運動していればいいですが、

ベッドサイドを除いてそんな環境下にはありませんよね。

その場合に頼りになるのが、

「検脈(分かりにくい場合は聴診)」
です。

今は自動血圧計が普及しているので、

看護師さんでも検脈しない人を見かけますが、

脈を触知することは必須の評価項目だと思います!


検脈で確認すべきことは、

1.橈骨動脈が触れるかどうか?

  触れれば収縮期血圧80mmHgは維持できていると推測できます。

2.洞調律かどうか?

  洞調律の場合は脈拍数を計測し、

  頻脈か除脈傾向になっていないかを確認します。

  一方、不整を認める場合は

  ① 完全に脈を打つタイミングがバラバラ

    ⇒ 心房細動を疑います。

  ② 洞調律の中に乱れている脈がある

    ⇒ 心房性期外収縮 か 心室性期外収縮 を疑います。


不整のある場合に、必ず上記 ① か ② かを考えることがポイントです。

① 心房細動が疑われた場合

  まず確認すべきは、「発作性」 なのか 「慢性」 なのかです。

  高齢者は慢性の心房細動を持っている人がたくさんいます。

  慢性心房細動の場合は薬でコントロールされていれば問題ありません。

  脈拍数を計測して、徐脈や頻脈傾向になっていないかを確認してください。

  一方、いつもは洞調律の方が今日はどこか体調が悪くて、

  発作性の心房細動を発症している場合は注意が必要です。

  心房細動が起こったすぐは心内血栓ができやすい状態になっています。

  その日のリハビリは中止して看護師さんに報告してください。

  急を要する訳ではないので落ち着いて対応すれば大丈夫です。


② 期外性収縮が疑われた場合

  この場合もいつもと同じなのかどうかが重要です。

  いつもと比して明らかに増悪していたら、

  看護師さんと体調等について相談してみるといいと思います。

  また、初回介入時に期外性収縮を認めたら

  以前の心電図検査結果と比較することも必要です。

  基本的にはリハビリテーション中止基準に従って回数で評価します。

  1分間に10回以上とか。


  あと期外性収縮に関しては 『Lown分類』 を知っておくと便利です。

 ≪Lown分類≫  
  
  grade0 :心室期外収縮無し

  grade1 :散発性(1個/分または30個/時間以内)

  grade2 :散発性(1個/分または30個/時間以上)

  grade3 :多形性(期外収縮波形の種類が複数あるもの)

  grade4a:2連発

  grade4b:3連発

  grade5 :短い連結期(R on T現象)

 
 gradeが上がるにつれて危険な不整脈です。

 特にgrade3以上のものは医師と相談が必要で、

 grade4b以降はすぐに安静とし、医師に報告してください。

 心室細動に移行して致死的になる場合があります。


以上のように 『検脈』 で分かることはたくさんあります。

日々の臨床で検脈する癖をつけて下さい。

あとリハビリ室にAEDを設置しておくこと、

急変時の対応方法を練習しておくことが重要です。

備えあれば憂いなし!

日頃から危機管理意識を高めてくださいね。

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