理学療法士 (PT) だって 人間だもん

脊椎圧迫骨折のリハビリエビデンスや理学療法の臨床で思う治療のワンポイント、理学療法士として身に着けておくべきメンタル等、理学療法士としての思いを形に。 

「PTだって人間だもん」のブログへようこそ!

職場という閉鎖された空間だけでなく、

よりたくさんの方と意見交換できたら幸いです☆

  理学療法 脊椎圧迫骨折

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脊椎圧迫骨折患者に対する軟性コルセットの巻き方

『 脊椎圧迫骨折患者に対する治療として体幹ギプス固定にすべき! 』 という視点で、

脊椎圧迫骨折についていろいろ書いてきました。

 ⇒ 脊椎圧迫骨折に対する固定方法 体幹ギプス?コルセット?

同じことを何度も書きますが、脊椎圧迫骨折も踵骨と同じ海綿骨骨折。

踵骨は必要に応じてギプス固定して免荷するのに、

脊椎圧迫骨折はなぜ固定もせず痛みに応じて活動するのでしょうか。

全くおかしいと言っているわけではありませんが、

可能なら積極的に脊椎圧迫骨折も強固な固定をすべきだと思っています。


では体幹ギプス固定期間後は何も固定しないかというとそんなことはありません。

私の師事している先生は軟性コルセット期間を設けます。

( 以前にも書きましたが、一時期硬性コルセット期間を設けていましたが、

  コストパフォーマンスの面から 体幹ギプス ⇒ 軟性コルセット を選択されています。 )

  ⇒ 脊椎圧迫骨折に対する理学療法 疼痛の評価が命


この脊椎圧迫骨折に対する治療としての軟性コルセット。

いろんな施設でも行われていると思います。

正しく巻けているでしょうか?

せっかく何万円もして体に合わせて作っているのに使用方法が間違っていては元も子もありません。

本日は脊椎圧迫骨折に対する軟性コルセットの巻き方を確認したいと思います。


【 脊椎圧迫骨折に対する軟性コルセット巻き方のポイント 】

本日は以下2つの文献をお借りしながら臨床で感じるポイントを書きたいと思います。

 1)中土保:胸腰仙椎・体幹装具.整形外科看護 19.20-23,2014.

 2)伊藤博人,他:ダーメンコルセット(胸腰椎軟性コルセット).整形外科看護 16.49-52,2011.

ちょっと余談ですが看護師さんのジャーナル系は勉強導入としては非常に分かりやすい!

勉強会等で絵や図,説明を考えるときは

ぜひ理学療法関係の雑誌だけでなく看護師さんの雑誌も読むことをお勧めします。

あと 「ダーメン」 てドイツ語で 「婦人用の」 って意味らしい・・・知らなかった。

脊椎圧迫骨折 理学療法 軟性コルセットの巻き方(文献1より)

バンドの数等は義肢装具士さんや先生の考え方、固定範囲によって異なると思います。

文中にもありますが意外に上下が分かりにくい場合があり、

患者さんも自分で巻くときに困惑することがあります。

私は患者さんから了承を得られたらマジックで 『上・下』 と書いています。


ポイントは、

 ・ 脊柱が伸展位となる 「臥位」 あるいは 「立位」 で装着する。

  ( ただし肥満体型の方は必ず 「臥位」 で!お腹が出てうまく締まりません! )

 ・ コルセットの下に肌着を着る。

 ・ 上前腸骨棘をコルセット下部が覆うことが大事。

 ・ 上前腸骨棘のバンドをまずはしっかりと締め、その後他のバンドを固定する。

 ・ トイレ動作でコルセットが邪魔にならないようコルセットの 「上」 にパンツを履く。

 ・ 女性で胸のところが痛い場合は薄いタオルを挟む。

 ・ 患者さんは必ず苦しいというので、必要性を十分に説明する。


書くと簡単ですが適切に脊椎圧迫骨折患者さんに使用するのは難しい。

特に急性期から体幹ギプス固定ではなく軟性コルセットを選択された場合、

夜間の排尿時等、1日を通して適切に装着できる患者さんはそうそういない。

だから痛みもなかなか軽減せず入院期間等が伸びてしまう可能性がある。

やはり脊椎圧迫骨折に対して第1選択は体幹ギプス固定とし、

早期離床・早期歩行獲得を目指すのがよいのではないか?

骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存療法 体幹ギプス固定vs半硬性装具vs既製装具

理学療法士の視点から

脊椎圧迫骨折に関しての知識や運動療法プログラムの提案を行ってきました。

ただ理学療法士は理論や考察するのは大好きですが、

『 明確な効果を提示する 』

ことが少し苦手な職種であると自分自身含め思っています。


具体的に言うと、ちょっと脊椎圧迫骨折から離れますが

膝OAに対する保存的治療の理学療法介入として、

『 患者教育と生活指導 』 『 運動療法 』 『 減量療法 』

がエビデンスレベルが高いとされています。 ⇒ 膝OAのPTガイドライン(外部リンク)

その運動療法の中身を見ていくと、

『筋力増強運動』 『有酸素運動』 『足底挿入板』 『超音波療法』

がエビデンスレベル1とされています。

昔の教科書と何か変わった!?

(足底板が入っていることに少し感動!明らかに効果がありますもんね!!)

しかしながら文面もどことなく弱気な感じ。

まとめにも書いてありますが、ほぼ欧米のデータを引用。

その上、膝OA患者の約9割が保存療法を選択されているにも関わらず、

専門家である理学療法士の介入が十分にできていない現状が伺える。

皆さんの施設は外来で膝OA患者さんを受け入れていますか?

体操パンフレットを渡してQuad exerciseをさせているだけではありませんか?


少し話がそれてしまいましたが、

脊椎圧迫骨折に対する理学療法に関してもインナーマッスルを鍛えよう等、

専門家ぽいところを見せようと努力してはいますが、

効果の是非を聞かれるとデータを提示してはっきり答えられる理学療法士はいるのでしょうか?

私はできません…


そのような現状を把握してPT一人一人がセオリーに興味を持ちつつ、

それを結果に結び付け明確に提示する努力が日々の臨床で必要だと思います。

ぜひ若いPTの力を合わせて理学療法士という職種がよりよくなるよう頑張りましょう!


私の思いばかり書いても全く面白くないので、

最後に脊椎圧迫骨折の保存療法に関する日本のRCT論文を一つ紹介します。

私は体幹ギプス固定が良いと思っている視点で読みますのでどうしてもバイアスがかかります。

皆さんもぜひご自身の目で確かめて下さい。


「骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存療法の指針策定」
-多施設共同前向き無作為化比較パイロット試験の結果より-

出典: 日整会誌 (J.Jpn.Orthop.Assoc.)85:934-941,2011

 【対象】
 
  原発性骨粗鬆症患者に生じた外傷性あるいは脆弱性脊椎椎体骨折患者。

  選択基準に当てはまり、除外基準に当てはまらない患者。

 【群分け】

  ①14例 : 3週間のベッド上安静後、半硬性体幹装具を9週。

  ②15例 : 早期に体幹固定+活動を計12週(ギプス4週・半硬性体幹装具4週・既製体幹装具4週)。

  ③14例 : 早期に既製体幹装具を装着しすぐに活動。12週固定。

  ※ 運動器リハビリテーションプログラムは統一されたもの

 【評価項目】

  主要 : 骨癒合の有無 偽関節の有無 椎体変形の進行程度

  副次的 : VASによる経時的疼痛評価 神経症状の有無 SF-36(QOL評価) 骨折前後の介護認定度 DXA(骨塩定量)

 【結果(一部抜粋)】

  ・ 各群間における経時的な骨癒合率、偽関節発生率に有意な差はみられなかった。

  ・ 楔状率は3群において有意な群間差が検出 され、

   ①と②群間に有意な差が、①と③群間でも有意ではないものの差がある傾向にあった。

  ・ VAS、介護認定度、DXAにおいては3群間に有意な差を認めなかった。

  ・ SF-36のSocial Functionにおいて①と②群間の間に有意差がみられた が、

   その他のサブスケールについては有意差はみられなかった。



【以下は私見】

こういう論文を読むとまず症例を集める大変さを痛感します。

このように形にされた努力は並大抵のことではないと思い感動を覚えます。


結果については、骨癒合率や偽関節発生率に有意な差がみられなかったことが意外でした。

私の印象としては③群がかなり危険かと思っていましたので。

ただ症例数が少ないので今後大規模比較が成されると変わってくるかもしれませんね。


楔状率に関してはやはりしっかり固定するべきなのかなと思いました。

ただSF-36の結果と疼痛の程度(絶対差が出ると思ってたのですが・・・)を見ると

 ⇒ SF-36についてはこちらをご参照下さい(外部リンク)

解釈によっては

過剰な固定は除痛効果が乏しいのにQOLを著しく下げる

という結果になってしまいます。


明確な効果を提示することが苦手なPTの戯言ですが、

『 体幹ギプス固定は間違いなく除痛効果に優れ、早期離床を推進し椎体の楔状化を防ぐ 』

という視点で理学療法介入を行い、

『 強固な固定はADL制限やQOL低下を引き起こしやすい 』

というデメリットを把握し、

PTとしてこれらを防ぎながらよりより脊椎圧迫骨折の理学療法が提供できるよう、邁進していきたい!

脊椎圧迫骨折に対するインナーマッスルトレーニング 『腸腰筋』『腹横筋』『骨盤底筋群』『横隔膜』『多裂筋』

脊椎圧迫骨折に対する理学療法についていろいろ書いてきました。

特に脊椎圧迫骨折保存療法における理学療法(運動療法)としては

『 脊柱起立筋のエクササイズ 』 が重要と書きました。

 骨粗鬆症性 脊椎圧迫骨折 に対する 理学療法④


ただ脊椎圧迫骨折患者さんに対して

脊柱起立筋のエクササイズ は超重要と思いますが、

それに加えてインナーマッスルトレーニングも重要だと考えています。


具体的には、

 
『腸腰筋』 + 『腹横筋』 『骨盤底筋群』 『横隔膜』 『多裂筋』

と考えています。



〇 脊椎圧迫骨折患者に対する腸腰筋エクササイズ

 脊椎圧迫骨折患者さんだけでなく健常人でも腸腰筋の重要性は

 ネットで検索したらよく分かりますね。

 本日検索してみたら70万件以上がヒットします。

 解剖等はそちらをご参照下さい。

 
方法: 

  少し高めのセザムベッドに浅く腰掛け、前方に上肢支持できる台を置きます。

  ① 両上肢支持した状態で腰椎伸展位を意識します。

  ② 伸展位を保持したまま両足関節底屈運動による

    股関節屈曲運動を行います(自動介助運動)。

  ③ 慣れてきたら床から数cmだけ浮かせて股関節屈曲運動を(自動運動)。

  ④ さらに余裕ができたらセザムベッドを少しずつ下げていきます。



 健常人でも詳細に評価するとMMT2レベルであることが多々ある腸腰筋!

 ついつい中途半端な姿勢で抵抗かけてMMT4と評価してしまいがちですが、

 腰椎前彎を保持して股関節最大屈曲位で保持するのはかなり難しいですよ!!

 特に脊椎圧迫骨折の患者さんで4レベルの人はほとんど見たことありません。

 代償動作をしっかり取り除いて評価してみて下さい。

 脊椎圧迫骨折の患者さんには、まずはMMT2レベルの基本、

 自動介助運動から始めるのがポイントだと思います!!

 なお林典雄先生の著書では骨頭被覆(ひふく)運動として

 種々の障害の治療として紹介されています。

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 これらの本は本当に勉強になります。

 持ってない理学療法士の方は一読を超絶お勧めします。



〇 脊椎圧迫骨折患者に対する
             『腹横筋』 『骨盤底筋群』 『横隔膜』 『多裂筋』 エクササイズ

 これらは協同して働くので個別というよりは一緒にトレーニングしていきます。

 インナーマッスルも多々注目されているのでいろんな方法が紹介されていますが、

 実際の脊椎圧迫骨折患者さんに対する理学療法で行っている方法を紹介します。


1) 『横隔膜』 『腹横筋』 『骨盤底筋群』 トレーニング

 かなり難しい筋群です。

 それだけ実施するときは丁寧に行う必要があります。

 
 具体的には、

 ・ 練習する姿勢の選択(いきなり仰臥位は難易度が高いと思います)

 ・ 努力させ過ぎない(過剰収縮ではうまく働きません)

 ・ 横隔膜呼吸を利用(体幹ギプス固定では胸郭が制限されているので少し有利!?)

 ・ 必ず理学療法士の手で触診する

 です。

 

 方法:

  ① 両肘をついた四つ這いの姿勢から始めます。

  ② ゆっくりと長い呼気を強調しながら重力で下がっている腹壁を引き上げます。

  ③ 同時に肛門をじわーっとしめます(お尻じゃありません!肛門です!!)

  ④ その際、PTは尾骨先端を触診しながら尾骨が肛門の方向へ動くのを確認します。

  ⑤ 肛門閉めではなくお尻閉め(殿筋収縮)となっていたら修正します。


 
 脊椎圧迫骨折患者さんにとっては少し取りにくい姿勢かもしれませんが、

 両肘をついた四つ這いから始めること が少しみそです。

 理由としては、

 Point 1 : 腹壁を引き上げるのが分かりやすい。

        
(一般的にはドローイングと言われている!?)

 Point 2 : 重力により骨盤底筋群は自動介助運動になる。

 と考えています。

 
 両肘をついた四つ這いで上手になったら、

 両手をついた四つ這い ⇒ 側臥位 ⇒ 膝立て仰臥位

 と進めます。

 文章で書くとこれだけなのですが,実際にやるのは難しい。

 ゆっくりと説明して理解してもらいやることが必要です。


2)
『多裂筋』トレーニング

 
上記した 横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群の収縮保持が

 「 両肘ではなく両手をついた四つ這いの状態と側臥位でできるようになった段階 」

 
で導入していきます。

 
方法1: 

  ① 側臥位で両股関節45度屈曲位、膝関節75-90度屈曲位をとります。

  ②  骨盤が後方へ倒れないように意識しながら股関節外旋運動を行います。

   ⇒ こうすることで多裂筋が安定化筋として収縮すると考えています。

     股関節の角度は多裂筋の収縮させたい線維の走行と平行にして変更して下さい。

 方法2:

  ① 両手をついた四つ這いの姿勢をとります。

  ② 強調呼気+肛門閉めを行います(横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群収縮)

  ③ そのまま片側下肢をベッド上で滑らせて屈伸を行います。

  ④ 両上後腸骨棘が動かずできるようになったら片側下肢を挙上して保持します。

 
 どちらとも腰椎が安定した状態で下肢の運動を行うことが重要だと考えています。

 ただ臨床上、見て思うことは、

 「 脊椎圧迫骨折の疼痛により多裂筋はどちらかと言うとspasticになっている 」

 ような気がします。

 なので強化するというよりは

 「収縮-弛緩により血流改善を図って鎮痛につながるのではないか」

 と考えています。


脊椎圧迫骨折患者さんに対する理学療法として

『腸腰筋』 + 『腹横筋』 『骨盤底筋群』 『横隔膜』 『多裂筋』 トレーニング

いかがでしたでしょうか?

「脊椎圧迫骨折患者さんの理学療法プログラム → 痛みに応じての歩行練習」

だけでなくいろいろプログラムを付け加えられるのではないでしょうか?

ぜひ理学療法士として脊椎圧迫骨折の理学療法にも興味を持ってみて下さい!!

理学療法士による脊椎圧迫骨折に対する基本動作指導

前回は脊椎圧迫骨折に対する固定法の比較をしている文献を紹介しました。

胸腰椎移行部の脊椎圧迫骨折にはやはり体幹ギプス固定が必要だと思っております。

脊椎圧迫骨折の骨折部位はかなり動く! それに対して体幹ギプス固定?コルセット?

本日は体幹ギプス固定の特徴と基本動作について書きたいと思います。


〇 体幹ギプス固定の強みと弱み しっかりと禁忌事項を伝えよう!

 体幹ギプス固定は確かに強固な外固定です。

 しかしながら骨折部への負担全てを軽減できるわけではありません。

 以下に私が臨床上、思う点を記載させて頂きます。


体幹ギプス固定により・・・


 ①(○) 体幹の 『 前後屈 』 ならびに 『 側屈 』 に対しては十分制限できる。

  ⇒ 体幹ギプス固定による最大の効果ですね。楔状変形を防いでくれます。

 
 ②(×) 一方、体幹の 『 回旋 』 は十分には制限できない!

  ⇒ ギプスは楕円形となるため部分的には制限されますが、
    
    体軸を中心に回転してしまうので十分には制限できません。 
    
    そのため 『 丸太用寝返り動作 』 が必要となります。

 
 ③(×) 縦にかかる重力(垂直応力)には、軽減効果は期待できない。

  ⇒ 腹圧上昇効果により若干の軽減はあるという人もいますが懐疑的。

    基本的に仮骨が十分できて安定するまでは、『 重量物運搬は禁忌 』 です。


 ④(○) 患者さんが勝手に外せない。

  ⇒ 硬性コルセットもかなり強固に固定してくれると思いますが、

    体幹ギプス固定の大きなメリット(デメリット?)がこの点です。

    外固定はどれもつらいもの・・・

    患者さんの立場からすれば疼痛が軽減してきたら緩めたくなるものです。

    よく困るのが夜間排泄時の装着不備です。

    また認知症患者によっては硬性コルセットが装着困難な場合があります。

    しかし骨折部の圧潰進行防止には日中夜問わず、強固な外固定が必要と思われます。

    ・・・ちょっと話がずれますが、経過の中で体重減少のため体幹ギプスに少しゆとりができ、

    体幹ギプスをチューブトップの服みたいに着脱していたつわものの患者さんを経験したことがありますw


 ⑤(◬) 入浴準備・動作に工夫がいる。

  ⇒ ギプスは基本的に水で濡らすことは禁忌です。

    そのため浴槽での入浴は固定期間中できず、原則シャワー浴となります。

    シャワー浴の方法は、

    1) まず体幹ギプス上に水がかからないゴミ袋やディスポエプロンで覆います。

    2) 首の周りにバスタオルを巻きます。

    3) その上に散髪用ケープを巻いて完成。


 ⑥(◬) 患者さんに治療を受け入れてもらうためにかなりの労力が必要。

  ⇒ これがなかなか難しい。

    疼痛のため入院してきて体幹ギプス固定を行うと信じられないくらい疼痛が軽減する。

    すぐに離床でき動けるようになると、患者さんはこれをはずしてくれ~と言う。

    気持ちは分かりますが…外すとまた痛くなりますよ・・・

    とにかく説明です。

    まだ骨は治ってないこと、痛みが出ること、猫背で姿勢が悪くなること、毎日説明します。

    あと体幹ギプス固定されている期間は退院できないと勘違いされてしまう。

    「こんなんつけて帰ってもなんもできんわ~」

    よくありませんか? (同感できる人の苦労をお察しします!!)

    逆に骨折してて何するつもりなんや?と思いますが・・・

    (聞くと多いのが草むしりや農作業です・・・お年寄りってほんとに草むしりが我慢できない・・・)

    これもとにかく説明と成功体験(特にお風呂)!

    あと禁忌事項の説明しかありません。


 ⑦(×) 緊急の場合に心臓マッサージが出来ない。

  ⇒ これは治療方法を選択する医師の問題ですが、セラピストも知っておく必要があります。

    緊急時どのように対応するかは施設で話し合っておいた方がいいです。


以上パッと思い当たる点を記載させて頂きました。


〇 脊椎圧迫骨折に対する基本動作指導 『丸太様寝返り』 『股関節促通』 『洗体・洗髪動作』

 ① 寝返り指導

  学生さんとか新人はROMや筋力評価をしたがりますが、

  そんなもんは入院前の生活を聞けばだいたい分かります。

  (ただし神経麻痺の存在等で筋力評価が必要な場合もあります)

  入院初日にPTがまず行わないといけないのが 『 丸太様寝返り動作の指導 』 です。

  これはいかなる固定方法であっても一緒です。

  寝返り時はどうしても、上半身先行 あるいは 下半身先行の寝返りになりやすいです。

  受傷前から丸太様寝返りなんかしている人はいないと思いますから。

  そこで、

  1) まずは体を捻じることで痛みが出ることを説明します。

  2) その後、両膝を立てた状態で深呼吸+肛門閉めの練習をします(local muscleの賦活化)

  3) 次にセラピストが肩甲帯および骨盤を介助して丸太様寝返りの経験をしていきます。

  4) 動作のイメージが湧いてきたら 呼気に合わせて 寝返りを行います。 

  ※ 必要に応じてベッド柵を使用しても構いませんが、上半身が先行しないように注意が必要です。


 ② 股関節の動きを促通

  離床が進んだら次に生活上での股関節の動き方を説明する必要があります。

  hip - spine syndrome等とも関連してきますが、

  椎間関節で動きが出ているのか、股関節で動きが出ているのか、この違いを評価します。

脊椎圧迫骨折 理学療法 股関節の動き


  プロって本当にすごいですね!

  私もフットサルやゴルフをするのですが、

  これだけの 『股関節内転』 や 『股関節内転+内旋』 は とても出ません。

  年に1、2回のゴルフに行った次の日は腰が痛いです・・・とほほ・・・

  

脊椎圧迫骨折 理学療法 股関節の動き 屈伸

脊椎圧迫骨折 理学療法 股関節の動き 横移動

脊椎圧迫骨折 理学療法 股関節の動き 捻じり



  違いが分かりますでしょうか?

  ポイントは 「股関節で曲げる!」 「股関節で側方へ」 「股関節を先行させて外旋しておく」 です!

  (最後の写真は少し分かりにくいですが、膝の向きを見てみて下さい。)

  そのためにも、体幹が両足で形成される支持基底面上に位置することが重要です。

 
 ③ 洗体・洗髪動作での注意点

  体幹ギプス固定除去後、入浴時はコルセットを外した状態で洗体・洗髪を行うと思います。

  1)座高の高い シャワーチェア等を用いて低い洗面イスを使わない!

  2)手桶は持たず、基本的にシャワーを使用する。

  3)シャワーは固定しているところに体を近づけるのではなく、

   必ず手に持って自分に近づける ( 常に体幹は伸展位に保ち前屈しない )。

  4)足先を洗うときには屈まず、股関節屈曲+外旋させて反対の足の上に乗せて行う。

    あるいは柄つきブラシを用いて行う。



長文になってしまいましたが、脊椎圧迫骨折に対する基本動作指導を書きました。

また違った方法等あれば教えて下さい!

脊椎圧迫骨折の骨折部位はかなり動く! それに対して体幹ギプス固定?コルセット?

前回は脊椎圧迫骨折の疼痛について書きました。

その中で、Intravertebral vacuum cleft の紹介をしました。

Intravertebral vacuum cleftはX-P上で撮像される現象ですが、

『 臥位での撮影ではvacuum像が撮像されるが、立位では撮像されない! 』

つまり、『 重力の影響や運動により骨折部は容易に動く 』 ということが考えられます。

(ぜひ、脊椎圧迫骨折に対する理学療法 疼痛の評価が命 の項目を読んでください )


本日は、

 濱田修 「骨粗鬆症性椎体骨折の診断と治療」 北整・外傷研誌 27,94-98,2011

を紹介したいと思います。


〇 脊椎圧迫骨折部の動きについて

脊椎圧迫骨折 理学療法 3態撮影
脊椎圧迫骨折 理学療法 3態撮影でのX-P像

  椎体内の異常可動性をとらえる目的で、三態撮影を行った結果が上図の通り。

  これを見て本当にびっくりしたのを覚えています。

  皆さんは骨折したことがありますか?

  私は左橈骨遠位端骨折と左第3、4中足骨骨折をしたことがあるので骨折の痛みはよく分かります。

  ほんまにちょっと触っただけでも激痛が走ります!

  こんだけ動いたらそりゃ痛いですよね。

  明日から骨折直後の患者さんに基本動作を指導する際は、痛みを分かちあってあげて下さいね。


〇 骨粗鬆症性椎体骨折の自然経過

 それでは受傷直後はこれぐらい動くんだということが分かりましたが、

 経過が進むにつれてどうなるのでしょうか?

 論文内では、腰椎バンド固定のみで活動制限を行わなかった群が紹介されています。

 腰椎バンド(マックスベルト)ってみなさんご存知ですか?

 こんなやつです。ちょっと腹圧が上がるかもしれませんがほとんど固定力はありません。

 (腰痛症をお持ちの方には上手に使えばいいと思いますよ!)
 

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 なので、

  「骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折を起こして何も制限しない場合の自然経過」

 と捉えてらっしゃいます。

 結果は以下の通り。

脊椎圧迫骨折 理学療法 腰椎バンド固定 3態撮影 角度

 入院直後の損傷椎体には仰臥位と座位で平均12.3度の動きあり。

 3か月の時点で減少したものの平均9.7度、また相対的に圧潰が進んでいることが分かる。

 1年経っても 14例中10例で平均9.7度の椎体可動性が残存していた。

 つまり、

 「 骨粗鬆症性椎体骨折の自然経過では、受傷後1年経っても骨癒合しない症例が多い 」

 とのことである。


〇 骨粗鬆症性椎体骨折に対して体幹ギプス固定を行った場合の経過

 
胸腰椎移行部椎体骨折 46例に対して 体幹ギプス固定を8週間したとのこと。

 体幹ギプスは仰臥位で固定し、積極的矯正は行わなかった。

 体幹ギプス除去後は硬性コルセットにて8週間固定。

脊椎圧迫骨折 理学療法 体幹ギプス固定 3態撮影 角度

 
 椎体の動きが明らかに減少しているのがよく分かりますね。

 マックスベルトと体幹ギプスの固定力の違い・・・イメージ通りですね。

 これらを見て皆さんはどちらの固定を選択したいですか?


〇 硬性コルセットも強固な印象がありますが?

 体幹ギプス固定と同じくらい固定力があるのではないかと思うのが硬性コルセット。

 しかし、濱田の論文やその中で引用されている論文でも、

 「 胸腰椎移行部の椎体骨折に対する硬性装具の固定効果は十分でない 」 と述べている。

 その理由として、椎体圧潰の進行や偽関節、神経障害の発生頻度を上げている。

 
脊椎圧迫骨折 理学療法 体幹ギプスと硬性コルセットの比較

 確かにこれを見ると硬性コルセットでは不十分な印象があります。

 これを見て皆さんはどちらの固定を選択しますか?



本日は、1つの論文を取り上げて

『 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の椎体は重力の影響や運動により容易に動く 』

ことをイメージしていきました。

ただし、あくまでも私がこの論文を読んだ感想ですので、

ご自身の目で原著論文を確認していただき、

ぜひ批判的吟味を加えて皆様の知識の足しのきっかけになることを願っています。

ありがとうございました。
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