前回は足関節拘縮の関連知識として

足関節周囲にある脂肪体について書きました。

 ⇒ 
足関節周辺の脂肪体(fat pad)


今回から 「足関節の拘縮」 について考えたいと思います。

重要なことを少し復習。

関節可動域制限に対する治療アプローチの順序としては、

1.過剰な骨棘等で伸びない膝なのかどうか整形外科医師と相談する。

2.浮腫・腫脹をできるだけ取り除く。

その後、

3.軟部組織によるものや関節の機能破綻によるもの

を検討していくと書きました。

 ⇒ 
変形性膝関節症における膝関節伸展制限に対する理学療法



また 「癒着」 と 「短縮」 の違いは理解してますか?

⇒ 
関節可動域制限の基礎中の基礎 -膝関節を例に-



これらの考え方は対象となる箇所(関節)が変わっても同じです。

理学療法士の方はしっかりと理解しておきましょう。




本日は 「足関節拘縮に筋性由来の制限があるかどうか」 について。


《引用文献》
仲宿伸哉:足関節における可動域改善の考え方とその方法.sportsmedicine 133, 32-39, 2011.


まずは評価の方法として dynamic tenodesis effect を参考にと書かれています。

tenodesis


テノデーシスと聞くと何か特別なもののように感じますが、

起始停止の位置 および 筋や腱の長さ を考えると当たり前のことですね。

この考え方は、運動療法学の教科書にもよく記載されています。

少し脱線しますが、運動療法学の基礎はこの本を参照するといいと思います。

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第2版が出たんですね。


単関節筋と多関節筋の例として

一番分かりやすいのが腓腹筋とヒラメ筋の関係でしょう。

学校の授業か、臨床実習でかは忘れましたが、

足関節背屈については膝関節屈曲位と伸展位で測りなさいと習いました。

そん時はそんなもんと考えていましたが、臨床に出たら当たり前のことですね。

腓腹筋 ヒラメ筋

この単関節筋と多関節筋の違い、またdynamic tenodesis effect を参照して

関節制限因子としてどの筋が影響しているかを推定します。

筋性拘縮

内容として難しいことは書いてありませんが、

筋肉を略してあるのでちょっと抵抗感があるかもしれませんが慣れです!


ちょっと解説すると、

「tibia 脛骨」 「anterior 前の」 「posterior 後ろの」 なので

「TA:tilialis anterior 前脛骨筋」 「TP:Tibialis posterior 後脛骨筋」

となります。


また、

「fibula 腓骨」

「flexor 屈筋」 「extensor 伸筋」

「digitorum 指(複数形)」

「hallux 拇指(足のみ)」「pollex 親指(手足両方)」

「longus 長い」  「brevis 短い」 
← brief(手短な)はbrevisの派生語

なので、

fibularis brevis 短腓骨筋  fibularis longus 長腓骨筋

EDL:extensor digitorum longus 長趾伸筋

EHL:extensor hallucis longus 長拇指伸筋

FDL:flexor digitorum longus 長趾屈筋

FHL:flexor hallucis longus 長拇指屈筋

となります。


ちょっとややこしいものに、

fibularis longus は 上記の通り長腓骨筋なのですが、

「fibia 腓骨」 ⇒ ラテン語 fibula (留め金) ⇒ ギリシャ語 ペロネー

だそうで、『fibularis』 は 『peroneus』 と言い換えることができるため

peroneus longus も長腓骨筋を指します。

引用した上図も 長腓骨筋を PL と略してあります。


日本語で書けよとついつい思ってしまいますが、慣れると略したくなるもの。。。

ちょっと分かってますよ~みたいな笑

私は汗びっしょりになりながら略して書くように努めています。

まずは形から入る方なので。。。

頑張って慣れましょう!


☆ 読んで頂きありがとうございました!

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