師走もすっかり中旬に入り寒さも厳しくなるかと思いましたが,
今年は暖かい日が多いような感じがします.
でも今から寒くなるんでしょうね.
年の瀬は忘年会やらクリスマスやら
いろいろとイベントがあって生活リズムが狂いやすいです.
手洗い・うがいをしっかりして体調に気をつけて下さいね!
前回は 「ラトリング」 について書きました.
前胸部にラトリングを感じるということは
中枢気道まで痰が移動してきていることが推測され,
咳嗽,呼吸介助手技や気管吸引をすることで痰が排出できるということでした.
⇒ 手掌振動(ラトリング)
では目の前の患者さんが前胸部にラトリングを認めた場合,
その患者さんが自分で出せるかどうかはどうやって判断したらよいのでしょうか?
もちろん実際に咳嗽をしてもらって喀出できるかを見るのが間違いないと思います.
それを数値で客観的に評価しようというのが,
随意咳嗽時の最大呼気流流量 cough peak flow; CPF
です.
〇 咳嗽力の指標 「CPF」 の計測方法
測定は非常に簡単です.
ピークフローメータというものにフェイスマスクを装着して
精一杯息を吸ってもらったところから咳をしてもらいます.
するとピークフローメータの目印が移動して数値を示しますので
それを読み取るだけです.
〇〇〇L/min と.
(人工呼吸27,260-266,2010より引用)
こんな機器うちにはないわ~という方,ご安心を.
意外に安くで売ってるみたいなので
医療機器じゃなくて医療物品として
上司の方にお願いすれば一つぐらいは購入してもらえるのでは
ないでしょうか?
マスクはどこの病院にもあるでしょうから,
他部署にお願いして分けてもらうことで解決できるはずです.
価格:3,024円 |
〇 「CPF」 を測ったら
実際に数値を測ったらあとはカットオフ値が設定されていますので,
それよりも高いか低いかを見るだけです.
ただし100%ではないのであくまでも客観的評価の目安として
運用することが大切です.
「排痰能力を判別するcough peak flow」(人工呼吸27,260-266,2010)
を参照すると,
① > 240L/min : 自己排痰可能
② 100 ~ 240L/min : 自己排痰は困難を要するが気管吸引は不要
③ 100L/min > : 気管吸引が必要
に分類できるそうです.
昨今は高齢化がますます進み,
大腿骨頸部骨折の術後患者さんでも誤嚥性肺炎を引き起こしたりします.
ぜひ咳嗽力を客観的に評価するツールとして用い,
根拠ある理学療法を展開しましょう☆