理学療法士 (PT) だって 人間だもん

脊椎圧迫骨折のリハビリエビデンスや理学療法の臨床で思う治療のワンポイント、理学療法士として身に着けておくべきメンタル等、理学療法士としての思いを形に。 

「PTだって人間だもん」のブログへようこそ!

職場という閉鎖された空間だけでなく、

よりたくさんの方と意見交換できたら幸いです☆

2014年12月

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変わらない『鐘の声』 と 変わりゆく『自分』

とうとう平成26年も大晦日ですね。

大晦日といえば紅白からのゆく年くる年。

その中で聞く 『 除夜の鐘 』 がなぜかいい。

鐘の音というと、

平家物語を読んだことはないけれど、

昔、国語の授業で覚えた(覚えさせられた?)冒頭部分を思い出す。


『  祇園精舎の鐘の声   諸行無常の響きあり

   沙羅双樹の花の色   盛者必衰の理をあらはす

   おごれる
人も久しからず   ただ春の夜の夢のごとし

   たけき
者も遂にはほろびぬ   ひとへに風の前の塵に同じ  』


万物は流転する 中で、

鐘の声(音)は変わらないはずだが、

その時々によって聞く人の状態で、

その声(音)がいろんな声(音)に聞こえてくる。


普段は酸っぱいレモンが、

部活後に食べると甘く感じるのと一緒でしょうか!?


医学を習っているひとであれば、

「 ホメオスタシス 」 の存在はご存知だと思います。

日本語にすると 「 恒常性 」 。

ヒトは 「変化」 よりも 「安定」 を求めやすいものです。


ヒトの体は毎日 「 新陳代謝 」 を行って、

自分で細胞を殺しては生み出すという作業を繰り返しています。

つまり寝る前と起きた後では、

体の中の臓器の細胞は一部分変わっています。


しかし朝起きた時、私は生まれ変わったと思う人はいるでしょうか?

おそらくいませんよね。

それは脳がそうしているから。

いちいち別人になっていたら世の中回りません。


私含め現代人は、

情報は変化するが、自分は変わらないと思っている。

鐘の声は変化するが、その日の自分はいつもと同じと思っている。

そんな訳ないのに。。。

さっきまでの私と、今の私は少し変わっている。

去年の私と、今の私もかなり変わっている。

変わるのは情報ではなく自分です。


理学療法の未来は不安でいっぱいです。

理学療法士として一生懸命働くことに疑問を感じている人もいるかもしれません。

理学療法士なんてこんなもんと悟ってしまっている人もいるかもしれません。


ただその道を

 働いている方は自分で選んだこと、

 学生さんはこれから選ぶこと、

 それだけでなく違う道を選択した人も、

全ての人が 「自分で選んだ道」 ということを忘れずに。


皆さんは変わらないように見えるけど日々変化しています。

理学療法も変わらないように見えるけど日々変化しています。

この瞬間からの選択ひとつひとつで道は変化します。

変化を恐れず、来年も少しずつ歩み続けたいと思います。


今日という日が幸せな人はより幸せに、

そうでない人は少しでも幸せを見つけられるように、

良いお年をお迎えください!


バカの壁 [ 養老孟司 ]


姿勢評価で運動療法を考える

今年も残すとこあと2日になりましたね。

年が明けると、

1月「1く(行く)」 2月「2げる(逃げる)」 3月「3る(去る)」 と、

あっという間に今年度は終わるでしょう。

すると新人を迎える4月になります。

今はPTが10人以上いる職場がかなり増えてきた。

しかも毎年、新人PTが入ってくる職場も今は珍しくないのではないだろうか。

そこで問題となってくるのが、新人教育だと思う。


毎年新人さんを見ていて新人PTさんにとって一番難しいのが、

「 MRSA理学療法士 」 からどうやって脱却させるかである。

MRSA理学療法士は何ぞやと思う方はこちらを ⇒ MRSA理学療法士

問題点を端的に説明していて私の心の中にずっとある考え方。

要するに、

「M:MMT」「R:ROM-t」「S:Sensory test」「A:ADL test」

から問題点を抽出し、伝統的な理学療法を実施する理学療法士のことである。

私自身もカルテにMMT、ROM-tの結果を書かないと

未だに落ち着かない時があります(笑)。


もちろんこれらの考え方も非常に重要であるが、

これらと同様にもっと考えるべきところはたくさんある。


本日はMRSA理学療法士からの脱却に少し役立つかもしれない、

荒木茂:マッスルインバランスの考え方による腰痛症の評価と治療.石川県理学療法学雑誌 11,3-11,2011.

を紹介します。


〇異常な運動パターン・生活パターンを修正しよう!

 患者さんはどこかが痛くなって病院に来る。

 その痛みに対してアプローチすることはもちろん重要だが、

 せっかく治療効果をあげても 「再発予防」 という観点から運動を捉えないと、

 本当の意味で改善したとは言えない。

 理学療法の治療は20分と短い時間に限られるが、

 患者の生活習慣や異常な姿勢アライメントや運動パターンを改善させること 

 持続的な治療効果を得られることができる。

 理学療法の治療基本は 「 Active 」 であると私は思う。

 元気に! 自分で! 積極的に! そんな感じ。

 その 「患者をActiveにする」 ために 姿勢から運動プログラムを考えてみましょう。



〇姿勢から見える力学的ストレスの発生しやすい場所

 姿勢評価

 このイメージを持っているだけで評価なり治療がかなり考えやすくなります。

 ただ単に 「腰痛患者 ⇒ 腹筋強化」 ではなく、

 「弱化している筋」 「過緊張を起こしている筋」 を

 患者さんの姿勢を観察して評価項目をあげ、

 実際にそれぞれのテストを実施して確認しましょう!

 患者さんから日々学ぶとそんなに難しいことではないと思います。

 評価ができればあとは自分のこれまで学んだいろんな治療方法を試すところです。

 過緊張のところは緩めるように、

 弱化しているところはいかにしてトレーニングするか、

 理学療法の基本ですね。

 その際のポイントは、

 「 最後は自己管理(自主トレ)で終わること! 」

  「 運動の習慣化 」

 です!

 疼痛が「0」になった時が理学療法の終りではありません!

 患者さんが「Active」になった時が理学療法介入終了のタイミングです!

 「More Active!」

 一人でも多くの患者さんがativeになるように今日も頑張りましょう!

 皆様良いお年をお迎えください☆


 今日の内容は ↓ に詳しく書いてあります。

続運動機能障害症候群のマネジメント―頸椎・胸椎・肘・手・膝・足



運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導




膝関節屈曲制限に対する関節可動域運動のコツ

膝関節屈曲制限となり得る因子について考えてきました。

 ⇒ 
膝関節屈曲制限因子となり得るものたち

膝関節にはいろいろな軟部組織があって難しい印象がありますが、

一つ一つの可能性を考えていくことに

理学療法の醍醐味なりおもしろさがあると思います。

何となく知識がついたら今度は実践ですね!

「 わかる 」 と 「 できる 」 は全く違うものです。

私も負けずに頑張りたいと思います。


で、実際に膝を曲げようとしていくわけですが

知っておいた方がよい 「 コツ 」 があります。

八木茂典:関節可動域エクササイズに必要な膝関節機能解剖.Sportsmedhicine 133, 21-31, 2011.

をお借りして書きたいと思います。


〇 大腿脛骨関節における膝屈曲 「roll back」を意識しよう!

 膝関節の解剖。よくこの姿は見ますね。

 
2

 ここでポイントなのが、

 
 「内側」 は大腿骨と脛骨の適合がよく、 

   一方 「外側」 は大腿骨と脛骨の適合がよくない

 ので、

  
外側の方が接触点を変化させながら膝は曲がります。

 具体的に言うと、

  
膝関節屈曲に伴い大腿骨が脛骨に対して後方に移動(大腿骨のroll back機構)。

  ( 脛骨から見たら大腿骨に対して外側が前に出る、つまり内旋する! )

 文献では、膝関節屈曲120度で14mm移動する と紹介されています。

 このイメージが非常に重要となってきます。

 
膝の動き

 実際臨床で運用する場合には、「脛骨の落ち込みを防ぐ!」 というのがコツです。

 
ROMex

 左図は大腿骨をしっかりと固定し、脛骨近位端を持って重力によって曲げています。

 一方、臨床の場面でよく見る右図は、脛骨のコントロールが不十分で、

 いかにも曲げてやるという気持ちが伝わってきます。

 曲げようと思っても膝はなかなかまがってくれません。

 
基本的には 「 曲げる 」 というよりも 「 勝手に曲がる 」

 
というのが理想だと思います。

 右図で脛骨のコントロール以外に、股関節が動いてしまっているのも

 関節運動をコントロールしにくい因子です。

 
理想は大腿骨を固定して、脛骨のみをコントロールする。

 その際、大腿前面の筋の緊張が邪魔になってきたら

 
仰臥位ではなくセザムベッドを高く上げて下肢を垂らした端座位を選択する、

 というのも少しコツかもしれません。

 
 また膝の動きを見る時に screw home movement を意識するのですが、

 定義は伸展の最終域で外旋するというのが教科書に書いてあります。

 しかし臨床上は、伸ばす時にどんだけ外旋させていいか分かりにくいです。

 むしろ、

 曲げるに伴って下腿が内旋すると覚えておいて、

 膝関節屈曲90-120度の段階で下腿が30度内旋する!

 ことを目安に関節可動域運動を実施する方が分かりやすいと思います。


以上のように、

 「 脛骨の落ち込みを防ぎながら、かつ、下腿を内旋させながら自然と曲がる 」

というイメージを持ちながら日々の臨床で熟練してはどうでしょうか?

今日からの臨床が、昨日とは少し変われば幸いです。

理学療法士がかかる『感染症』

本日は理学療法士がかかり易い感染症について。

『感染症』 と言っても、風邪とかインフルエンザではありません。

理学療法士が陥りやすいメンタリティや考え方のことです。


以前にも書きましたが、

病院自体が一般の方からは分かりにくい世界なのに

その中でもリハビリテーション室は異様な世界である!

と思っています。 ⇒ 「仕事」と「作業」の違い


人間の慣れというものは恐ろしくて、

一旦その世界に入るとそれが当たり前のように感じてくる。



具体的に言うと、


・ 入ったばかりの新人がかなり年の離れた上司・先輩を「〇〇さん」と呼ぶ。

  一般企業で社長を「〇〇さん」と呼ぶことができるだろうか?


・ 患者や障害者の味方であるはずの理学療法士が「悪代官」みたいになっている。
  

  「リハビリ上限日数を超えているのでリハビリできません」 とか、

  「適当な病名がないのでリハビリできません」 とか。


・ 病院の経営のためという文言で、

  必要のないリハビリなり、よく分からない書類なり。

  反対に自分が病院にかかった時は 「この加算て何やねん。」と思ってしまう。


・ 義務を果たさず権利の主張。

  「自助・互助・公助・共助」 と言い、その先頭に立つべき医療技術専門職が自分のことばかり。


・ 「病気でなく障害を捉えてその人を見よ。オーダーメイドのリハビリを」と言いながら、

  治療内容を熟考せず時間に追われて、簡単にできる体操でリハビリが終わる。


・ 実習生には厳しく接するが、後輩には小言をあまり言えない。自分には甘い。


等々。


・・・自分自身のことを言っているようで本当に反省することばかりです。とほほ・・・。


そんな時に大事なのは 「外の風」 とか 「大先輩の小言」 とかじゃないでしょうか?

私は親元を離れて10年以上になりますが、「親の小言」 も捨てたもんじゃないと思いますよ。


理学療法士の病に効きそうな理学療法士によるコメントが紹介されているサイトがあります。

石川県守破離塾 塾長コメント



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以下、5つの病気にかかっていたり、何か理学療法士として違和感を覚えていたら、

見てみられてはいかがでしょうか?


【少し経験を積んだ理学療法士がかかり易い病】

 1.ブランド病 : 有名な病院や施設に就職すると自分も有名だと思いこむ。

 2.若年寄病 : 10年も経験ないのにPTなんてこんなもんと悟りきってしまう。

 3.学会講習会酔い : 学会発表したり海外の講習会などに参加すると自分の実力があると勘違いする。

 4.ADL訓練病 : どんなにいろいろ評価をしてもやることはROM訓練、立ち上がり訓練や歩行訓練になる。

 5.大学院熱 : 癒しと変化を求めて、確固たる目標もなくとりあえず大学院に進学し仕事を辞めてしまう。


 以上、石川県理学療法士会ニュース『インベーション』より。


ちなみに私は、

3の学会講習会酔いは繰り返し起こしていますが、

患者さんからお叱り(難渋する患者さんとの出会い)を受けて治ります。

2の若年寄病になりかけた頃があったかもしれませんが、

今は逆に奥が深すぎて時間が足りない毎日です。

5の大学院熱は半分かかったかもしれません。

学生時代からそのまま続けて大学院博士課程まで行きました。


みなさんはいかがでしょうか?

膝蓋大腿靭帯による膝関節屈曲制限

膝関節屈曲制限因子として 

「膝蓋上囊とprefemoral fat pad」 「大腿四頭筋」

について書いてきました。

 ⇒ 膝蓋上囊の癒着による膝関節屈曲制限 内側広筋と外側広筋による膝関節屈曲制限

膝関節屈曲制限因子としてもう一つ大事なのが 「 膝蓋大腿靭帯・膝蓋脛骨靭帯 」 です。

膝蓋骨骨折術後などで癒着・瘢痕化しやすいやつらです。

臨床上重要ですが、学校の授業で習った記憶は全くありません。


まずはどこにあるか?

膝蓋大腿靭帯解剖


膝蓋骨を中心に横へ、あるいは斜め下へと走行しています。

patella低位がある場合に膝蓋脛骨靭帯が瘢痕化している場合があります。

これらの瘢痕化・癒着は直接的に膝関節屈伸に伴うpatellaの動き、

いわゆる frontal rotation や coronary rotation を制限するため、

膝関節の拘縮につながってしまいます。



評価や治療ですが、

今までの基本通りに膝関節の屈伸に伴ってpatellaの動きの左右差はどうなっているか?

健側と比してpatellaが寄っていく方向の組織が硬いことが想像されます。


そしてpatellaの動きとして、上下左右だけでなくイメージとして「浮き上がらせる」 ことが重要です。

膝蓋大腿靭帯ストレッチ

拘縮がある場合には明らかに制限されますので、

ぜひ参考にして評価・治療してみて下さい!
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