年始から 患者さんの状態という観点から 書いており

前回は 『 ワッサーマンの歯車 』 について書きました。

 ⇒ 
ワッサーマンの歯車から理学療法を捉えよう

しつこいですが、ワッサーマンの歯車は非常に有用で

目の前の理学療法の対象について大枠を捉えやすくなります。

循環の問題で動けないのか、呼吸の問題で動けないのか、

運動器の問題で動けないのか?

新人さんや学生さんは運動器の問題にとらわれ過ぎる傾向がありますので注意!

理学療法が関われるのは24時間の内の少しだけです!

患者さんの1日の行動を考えましょうね。


前置きが長くなりましたが、本日は 『 血圧 』 について。

理学療法を開始するときバイタル測定をするなり、

看護師さんから情報を聞いたりしますよね。

その際、血圧は必ず含まれると思うのですが

血圧が分かることでどういったメリットがあるのでしょうか?


私は血圧から分かる理学療法士に有益なこと(分かりやすいこと)は、

 ①その日の調子が悪くないか?(いつもと大きく異ならないか)

 ②脳が「乏血」や「虚血」に至ってないか?

 ③心臓に過剰な負荷がかかってないか?

だと考えています。


本日は①、②について考えたいと思います。


①体調

 いつもと大きく異ならないか確認することで、些細な変化を捉えられます。

 いつもは血圧高い方が収縮期血圧100mmHgを切っていたりとかした場合、

 どっか調子悪いのかな(心臓がうまく血液を送れているのかな?)とか

 思って少し注意して理学療法介入します。


②脳の「乏血」や「虚血」

 脳梗塞後急性期等、リスク管理がそのまま理学療法に繋がります!

 筋細胞等は再生可能ですが、脳細胞は基本的に再生できません!

 一回の失敗が患者さんの人生を変えてしまいます。

 しっかり理解しましょう。



 
 脳は非常に多くの酸素やブドウ糖を消費します。

 安静時脳血流量

 上図の通り、通常の状態であれば余裕を持って供給できています。

 しかも、脳血流量の自動調節能が働いているため、

 血圧が多少変化しても安定して供給されます。

 脳血流自動調節


 しかし、この自動調節能は年齢や基礎疾患によって調節できる範囲が変動します!

 以下は非常に有名な図ですので、

 「この図見たことある!」という状態にしておきましょう。

 右方偏位

 また、脳梗塞等で自動調節能が破綻すると

 少しの血圧変動が命取りになることがあります!!

 脳梗塞
 この自動調節能の喪失期間は脳の障害部位によって異なります!


 障害期間


 これらを背景に理学療法、特に脳梗塞の急性期では

 頻回に血圧測定を行います。

 ただ血圧を測るのではなく、その意味もちゃんと理解しましょうね!!



 次回は、③心臓に過剰な負荷が加わってはないか?の観点で

 血圧について書きたいと思います。 



 本日の参考文献 (聖マリの本は超有名ですね)


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☆ 読んで頂きありがとうございました!

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