『 脊椎圧迫骨折患者に対する治療として体幹ギプス固定にすべき! 』 という視点で、
脊椎圧迫骨折についていろいろ書いてきました。
⇒ 脊椎圧迫骨折に対する固定方法 体幹ギプス?コルセット?
同じことを何度も書きますが、脊椎圧迫骨折も踵骨と同じ海綿骨骨折。
踵骨は必要に応じてギプス固定して免荷するのに、
脊椎圧迫骨折はなぜ固定もせず痛みに応じて活動するのでしょうか。
全くおかしいと言っているわけではありませんが、
可能なら積極的に脊椎圧迫骨折も強固な固定をすべきだと思っています。
では体幹ギプス固定期間後は何も固定しないかというとそんなことはありません。
私の師事している先生は軟性コルセット期間を設けます。
( 以前にも書きましたが、一時期硬性コルセット期間を設けていましたが、
コストパフォーマンスの面から 体幹ギプス ⇒ 軟性コルセット を選択されています。 )
⇒ 脊椎圧迫骨折に対する理学療法 疼痛の評価が命
この脊椎圧迫骨折に対する治療としての軟性コルセット。
いろんな施設でも行われていると思います。
正しく巻けているでしょうか?
せっかく何万円もして体に合わせて作っているのに使用方法が間違っていては元も子もありません。
本日は脊椎圧迫骨折に対する軟性コルセットの巻き方を確認したいと思います。
【 脊椎圧迫骨折に対する軟性コルセット巻き方のポイント 】
本日は以下2つの文献をお借りしながら臨床で感じるポイントを書きたいと思います。
1)中土保:胸腰仙椎・体幹装具.整形外科看護 19.20-23,2014.
2)伊藤博人,他:ダーメンコルセット(胸腰椎軟性コルセット).整形外科看護 16.49-52,2011.
ちょっと余談ですが看護師さんのジャーナル系は勉強導入としては非常に分かりやすい!
勉強会等で絵や図,説明を考えるときは
ぜひ理学療法関係の雑誌だけでなく看護師さんの雑誌も読むことをお勧めします。
あと 「ダーメン」 てドイツ語で 「婦人用の」 って意味らしい・・・知らなかった。
バンドの数等は義肢装具士さんや先生の考え方、固定範囲によって異なると思います。
文中にもありますが意外に上下が分かりにくい場合があり、
患者さんも自分で巻くときに困惑することがあります。
私は患者さんから了承を得られたらマジックで 『上・下』 と書いています。
ポイントは、
・ 脊柱が伸展位となる 「臥位」 あるいは 「立位」 で装着する。
( ただし肥満体型の方は必ず 「臥位」 で!お腹が出てうまく締まりません! )
・ コルセットの下に肌着を着る。
・ 上前腸骨棘をコルセット下部が覆うことが大事。
・ 上前腸骨棘のバンドをまずはしっかりと締め、その後他のバンドを固定する。
・ トイレ動作でコルセットが邪魔にならないようコルセットの 「上」 にパンツを履く。
・ 女性で胸のところが痛い場合は薄いタオルを挟む。
・ 患者さんは必ず苦しいというので、必要性を十分に説明する。
書くと簡単ですが適切に脊椎圧迫骨折患者さんに使用するのは難しい。
特に急性期から体幹ギプス固定ではなく軟性コルセットを選択された場合、
夜間の排尿時等、1日を通して適切に装着できる患者さんはそうそういない。
だから痛みもなかなか軽減せず入院期間等が伸びてしまう可能性がある。
やはり脊椎圧迫骨折に対して第1選択は体幹ギプス固定とし、
早期離床・早期歩行獲得を目指すのがよいのではないか?
☆ 読んで頂きありがとうございました!
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